アダルト配信をする場合、風営法2条8項に規定する「映像送信型性風俗特殊営業」の届出を出さなければなりません。
本記事では風営法専門の行政書士が届出の一連の流れを解説します。

映像送信型性風俗特殊営業とは

映像送信型性風俗特殊営業は以下のように定義されています。

この法律において「映像送信型性風俗特殊営業」とは、専ら、性的好奇心をそそるため性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる営業で、電気通信設備を用いてその客に当該映像を伝達すること（放送又は有線放送に該当するものを除く。）により営むものをいう。

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律2条8項

法律が古いのでわかりづらいのですが、要はインターネット上でアダルトな映像や画像を配信する場合を想定しています。

解釈運用基準によれば、「性的な行為を表す場面」とは、自慰行為、性交、性交疑似行為などが想定されており、「衣類を脱いだ人の姿態の映像を見せる営業」は、以下が想定されています。

【具体的な性的な行為を表す場面】
(ⅰ) 大腿部を開いた姿態
(ⅱ) 陰部、臀部又は胸部を誇示した姿態
(ⅲ) 自慰の姿態
(ⅳ) 排泄の姿態
(ⅴ) 愛撫の姿態又はこれを連想させる姿態
(ⅵ) 緊縛の姿態
性的な行為を表す場面で、次に掲げるもの
(ⅰ) 男女間の性交又は性交を連想させる行為
(ⅱ) 強姦、輪姦その他のりょう辱行為
(ⅲ) 性交類似行為
(ⅳ) 変態性欲に基づく性行為

映像とは、動画だけではなく静止画も含まれています。

届出が必要な例

例えば、ファンティアやマイファンズ等のプラットフォームなどを使ってアダルトコンテンツを配信する場合、届出が必要になります。

よく勘違いされやすいのですが、プラットフォーム側が届出を出していても関係なく、アダルトコンテンツを配信する人も届出を出さなければなりません。
実際、ファンティア公式でも届出を出すことを推奨しています。
参考：　https://help.fantia.jp/1889

ただ、映像送信型性風俗特殊営業は、あくまで「営業」なので、単に趣味として配信している場合は届出不要です。
とはいえ、アダルト配信で利益を出しているのに、「これは趣味です！」と言っても警察は納得しないので、収益追求が目的なら届出を出しておくのが無難です。

映像送信型性風俗特殊営業の届出に必要な書類

届出に必要な書類は以下。法人の場合5の書類も必要です。

1.　映像送信型性風俗特殊営業営業開始届出書（別記様式第31号）
2.　営業の方法を記載した書類（別記様式第32号）
3.　事務所の使用について権原を有することを疎明する書類（使用承諾書・賃貸契約書の写し・建物に係る登記事項証明書など）
4.　住民票（本籍記載のもの。外国人にあっては国籍記載のもの）の写し
5.　法人の場合は、定款・法人登記事項証明書及び役員全員の住民票（4に同じ）

1と2の書類は法定様式で、警察署のHPからダウンロードできます。
参考：　https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/fuzoku/style/style2.html

映像送信型性風俗特殊営業を始めるには、事務所が必要となるので、事務所が賃貸物件の場合管理会社または物件オーナーに「使用承諾書」を書いてもらいます。
要は、「この物件をアダルト配信の事務所として使うことを認めてください」というお願いをする書面のことです。
賃貸契約書は全ページコピーします。

そして住民票。必ず本籍が記載されている住民票を用意してください。

警察署によってはこれ以外の書類を求められることもあります。
例えば事務所の平面図や、事務所周辺の略図などです。ここらへんは警察署によって異なります。

これらの書類を用意し、所轄の警察署に届出を出します。

所轄の警察署の探し方は警察HPを見てください。
例えば神奈川県警なら以下のリンクから所轄の警察署を探すことができます。
参考：　https://www.police.pref.kanagawa.jp/about_kpp/kakubu/ps_addres.html

届出はURLごとに

映像送信型性風俗特殊営業はURL毎に届出が必要と解釈運用基準で規定されており、例えばファンティアとマイファンズ両方でアダルト配信をする予定の場合は、両方で届出を出す必要があります。

法定手数料

届出の法定手数料は3400円です。これは全国均一です。

届出から10日で営業ができます

必要書類を警察署に出し届出が受理されると、届出の日から10日後に営業を開始できます。
すなわち10日後からアダルト配信をすることができます。

AV新法との関係

1人だけでアダルト配信をするなら関係ありませんが、他の演者（女優さん）を使ってアダルト配信をする場合はAV新法が絡んできます。

AV新法は、要は出演するキャストとしっかり契約書を巻きましょうという法律です。
詳しくは下記参照。
参考：　AV新法/AV出演被害防止・救済法におけるAV製作者の注意点！同人AVとの関係も解説

行政書士に頼むメリット

当事務所では映像送信型性風俗特殊営業の届出を代行しております。
料金は6万5000円です。

当事務所に代行を頼むメリットとしては以下です。

1.　面倒な書類作成作業をしなくていい
2.　警察署に行かなくていい
3.　風営法で気になる点をアドバイスしてもらえる
4.　AV新法に関するフォローもしてもらえる

依頼者様がやることは、住民票の取得（別途手数料をいただければこちらで取得します）と、物件オーナー様に使用承諾書を書いてもらうこと（使用承諾書はこちらで用意します）。

ぜひとも当事務所にご依頼お待ちしております。