スカウトマンが女性を性風俗店、AV等に紹介することは職業安定法で禁じられています。
職業安定法第63条
次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、一年以上十年以下の拘禁刑又は二十万円以上三百万円以下の罰金に処する。
一 暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によつて、職業紹介、労働者の募集若しくは労働者の供給を行い、又はこれらに従事したとき。
二 公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で、職業紹介、労働者の募集、募集情報等提供若しくは労働者の供給を行い、又はこれらに従事したとき。
公衆衛生、または公衆道徳上有害な業務へのあっせんを禁じています。
罰則は、1~10年の拘禁刑、または20~300万円の罰金に処されます。
ここでいう、「有害な業務」が性風俗やAVなどに該当するのです。
最近だと、風俗スカウト団体「アクセス」が職業安定法違反で摘発となりました。
驚きなのは、このアクセスグループは性風俗店約1800店と契約していたことです。
なぜ驚きなのかというと、2025年の風営法改正で、性風俗店がスカウトバックを行うと、お店側が風営法違反になるからです。
つまりこの1800店の性風俗店は、全て風営法違反に該当してしまうということです。
性風俗店はスカウトバックが完全禁止です
これまでの法律だと、スカウト行為は職業安定法で規制されており、スカウトグループのみが摘発されてきました。
これだと、性風俗店側はスカウトグループを使っても何のお咎めもないので、依然としてスカウトの需要が生じることになります。
そうした現状も踏まえ、2025年の風営法改正では、性風俗店側にもペナルティを課すことで、スカウト行為を完全に封じ込める流れとなりました。
実際の条文は、風営法第28条13項。
第二条第六項第一号又は第二号の営業を営む者は、営業所で異性の客に接触する役務を提供する業務に従事しようとする者の紹介を受けた場合において、当該紹介をした者又は第三者に対し、当該紹介の対価として金銭その他の財産上の利益を提供し、又は第三者をして提供させてはならない。
2条第6項第1号、または第2号の営業とは、いわゆるソープランドやピンサロなどの店舗型性風俗店です。
ちなみに、広告料やコンサル料という名目にしてもだめです。実態ベースで判断されるので、実態として、スカウトグループ等のあっせん業者から、女の子を紹介してもらった対価として、性風俗店がお金を渡している時点で、どのような名目にしたところで、警察としては「スカウトへの対価」とみなします。
ちなみに、「店舗型が規制対象ってことは、デリヘルはスカウト使っても大丈夫ということ?」と解釈しそうになりますが、無店舗型も規制の対象です。
第三十一条の三
第十八条の二第一項並びに第二十八条第五項及び第七項から第九項までの規定は無店舗型性風俗特殊営業を営む者について、同条第十三項の規定は第二条第七項第一号の営業を営む者について、それぞれ準用する。
風営法の31条の3で、28条13項の条文が準用されると記載があります。
なので、デリヘルもスカウトバックは禁止です。
スカウトバックの罰則規定
第53条により、性風俗店がスカウトから人材を斡旋され、スカウトグループに対して対価を支払った場合、6ヶ月以下の懲役、もしくは100万円以下の罰金、または両方を併科されます。
おわりに
私が尊敬している性風俗店の経営者である、やさしいグループのすずさんは、SNSで積極的に発信することで、女の子を確保しています。
すずさんがすごいのは、バック率などを全てフルオープンにしていること。バック率をフルオープンにしているお店は少なく、そうした金額面の透明性から女の子への信頼を確保しています。
またすずさんは、YouTubeやX(旧Twitter)等で、お店の特色や魅力を発信し、お店に合った女の子が来るように、うまくブランディングしています。
こうすることで、女の子は、初めからすずさんのお店をある程度理解した上で面接に行くので、採用のミスマッチも減ります。
スカウトに頼るのではなく、SNS上で徹底して誠実な発信をすることで、安定的に女の子を獲得する手法は、令和の新しい性風俗店の採用の形と言えるかもしれません。