古物営業法が規定する古物営業には、3つの種類があります。
この3つに該当する場合は、古物営業許可を受けなければ古物営業法違反になります。
本記事でこの3つの古物営業について解説します。
1. 古物商
一番ポピュラーなのが、古物商です。
以下条文。
古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であつて、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの
あらためて古物商がどんな営業を指すのかというと、古物(古本、中古ゲーム機、古着など)を仕入れ、それを販売する営業のことです。
例えばブックオフは典型的な古物商です。
ブックオフは店頭で商品を買い取ったり、出張買取などをします。
ブックオフが買取の際に、お客さんの氏名、住所、職業、年齢等の掲示を求め、かつタッチペンでサインを求めるのは、古物営業法第15条に本人確認をすることが規定されているからです。
「別に俺ら個人には古物商なんて関係ないでしょ」などと言うなかれ。
ブックオフや古着店などで古物を仕入れ(いわゆるせどり)、それを継続的にフリマアプリで販売してたら十分古物商になりえます。この場合、許可を得ていなければ無許可営業になり、3年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処されます。
2. 古物市場主
次にあまり馴染みがない古物市場主。以下条文。
古物市場(古物商間の古物の売買又は交換のための市場をいう。以下同じ。)を経営する営業
古物商は、古物を仕入れてそれを一般に販売するビジネスモデルですが、古物市場主は、古物商がお客さんとなるビジネスです。
古物市場主はその名の通り、古物商が仕入れたり販売したりする場を提供する営業です。
イメージしやすい例でいうと、業者しか参加できない車のオートオークションの運営主は、古物市場主になります。
例えば、株式会社トヨタユーゼックはまさに車のオークションを手掛けており、このオークションには車を販売したい・仕入れたいという業者が参加します。
リアルの場で、オークション会場を作り、そこで古物商同士が活況に取引をする。
なお、この取引に一般客は参加することができず、あくまで古物商のみしか参加できません。これが古物市場主です。
3. 古物競りあつせん業
古物競りあっせん業(正しくはあつせん)とは、古物市場主と同じくオークションを手がける営業ですが、違いは、古物競りあっせん業はネットオークションに限定されるということです。
以下条文。
古物の売買をしようとする者のあつせんを競りの方法(政令で定める電子情報処理組織を使用する競りの方法その他の政令で定めるものに限る。)により行う営業(前号に掲げるものを除く。以下「古物競りあつせん業」という。)
「電子情報処理組織を使用する競りの方法その他の政令で定めるものに限る」という記載があるように、ネットオークション限定です。
なので、ネットオークションができるサイトを作る場合などは、この古物競あっせん業の許可を取得する必要があります。
代表的な例だとヤフーオークションでしょうか。
現実問題、オークションサイトを一から作り上げるのは大変だし、そこにお客さんを呼び込むとなったらさらに大変なので、古物競りあっせん業の許可を取る人は少ないでしょう。
ちなみにフリマアプリが古物競りあっせん業にあたるのかというと、競り(オークション形式の機能)がない限り、許可は必要ありません。
またフリマアプリはネット上で場を提供してるので、古物市場主の許可も必要ありません。
まとめ
古物商、古物市場主、古物競りあっせん業、この3つが古物営業の3業態となっています。
実際問題、多くは1号営業の古物商が多数で、中々新規で2号営業、3号営業の許可を取る人はいません。
当事務所は全ての許可申請の代行を受け付けていますので、ご入用の際にはお気軽にご連絡ください。